yuco:
最近仕事がつまらない、と知りあいが言う。
なんでと訊くと、よくわからない専門用語をごにゃごにゃ並べる。
要するに、彼の業務にはいくつかの種類があるんだけれども、最近はそのうち一種類ばかりやる羽目に陥ってつまらない、というようなことだった。
その一種類であることの何がいけないのか。難しいのか。それとも簡単すぎるのか。
そう訊くと彼はこう答えた。
「難易度は丁度良い。退屈にもならないし、途方にくれることもない。
だけどその仕事は、熟練すれば手順が全部見えちゃうんだ。不確実性とか偶発性みたいなものが全然ない。おお俺こんなことやっちゃったよ、みたいなことがない。それは僕のせいじゃなくて、その方法を習得している人にとってはみんなそうなんだ」
長いな、長いの駄目だな、格好悪い、と彼はつぶやき、それから言い直した。
「テクニックばかり使ってると肩が凝る。アートを使う場面がほしい」
なるほど、と思った。
たしかに、多くの職業がアート(芸術ではなくて、学芸とか技能とかのほう)とテクニックの両方を要求する。テクニックだけだと肩が凝るかもしれない。アートだけでも疲れそうだけど。
